なぜ短いコメントが多いのか
さて、Yahoo! Japanに登録されているサイトの「コメント」をいろいろ見ていますと、一つ非常に気になることがあります。
サイトの「コメント」が、いずれも、かなり「短い」のです。
Yahoo! Japanの登録申請画面の「コメント」記入欄の注意書きには、「50字以内にして下さい」と書いてあります。
だとすれば、「50字めいっぱい書こう」と思うのは当方だけでしょうか。
ところが、実際のコメントを見てみると、「50字めいっぱい」になっているものは、半数も見当たりません。
例えば、「翻訳、通訳のサービス」「英語」カテゴリーに属するサイトのうち、さらに細かくカテゴリーに分けられるものを除いた45のサイトのうち、コメントが30文字以上となっているのは、17サイトで、約3分の1です。20文字以上30文字未満が16サイトですから、残り3分の1は20文字未満ということになります。
Yahoo! Japan自身が「コメントは50文字以内」とか「コメントは、40文字を目安にして下さい」と言っているのに、これはどうしたことでしょうか。
サイト・オーナーが「意図的に簡潔なコメントにしている」という理由も考えられないわけではありません。
しかし、40文字でも十分に簡潔ですし、限られた文字数の範囲でなるべく多くを伝えたいというのが自然な心理というもの。20文字未満が3分の1もあるのは、ちょっと不思議な感じがします。
これは、おそらく、かなりの数のコメントがYahoo! Japanによって「編集」されているからではないでしょうか。
Yahoo! Japanでは、コメントに「広告的な表現」を用いてはならないことになっていますし、また、「他のサイトと不公平にならないようにコメントを編集することがある」とされています。
「編集する」というのは、もっと分かりやすく言えば、「不適切な部分を削除する」ということです。要するに、奇妙なほどに短いコメントが多いのは、Yahoo! Japanによって「広告的」とみなされたり、「他のサイトに対して不公平となるおそれがある」と考えられたりした語や表現が、コメントから削除された結果ではないか、と推定されるのです。
広告的な表現と客観的な表現
「広告的な表現」の例としてYahoo! Japanが挙げているのは、「日本一」、「最高の」などですが、これは余りに典型的で分かりやすい例です。
このような「露骨な強調」だけが「広告的な表現」とみなされると思ったら大間違いであって、実は、何らかの価値判断を含む表現を付け加えることで自サイトを際立たせようと試みるサイト・オーナーの多くが、手痛いしっぺ返しを受けることになるのです。
それというのも、たとえサイト・オーナーが「客観的な事実」と考えて採用する表現であっても、「広告的」「他のサイトに対して不平等」とみなされて削除されてしまうからです。
そのような、サイト・オーナーが「客観的」とみなして用いそうな語について、ヤフー検索でいくつか調べて見ましょう。
例えば、「特別」という語を用いたコメントはあるにはあるのですが、多くは「特別養護老人ホーム」や「特別番組」などの決まった言い回しの一部で、何かを形容する表現としてはほとんど出てきません。また、「特別サービス」という語を用いたコメントも皆無です。
「美しい」「美しく」等の語も、その多くは固有名詞の一部として見られるだけで、営利目的のサイトのコメントとしてはほとんどありません。
化粧品やエステのサイトに、そのような表現を用いたコメントがあってもよさそうなものですが、ありません。
「優れた」「優秀」については、極めて例外的か、「優秀作品」などの語にヒットするだけで、「自社の優秀性」をアピールするような内容のコメントは見られません。
「強い」という語についても、コメントでの用例はごくわずかで、しかも営利目的のサイトのコメントでは、いずれも「抵抗力がある」という意味で用いられています (「風に強い」「偽造に強い」など)。また、「強力」という語についても「強力わかもと」という製品名以外には用例がありません。
さらに、「正確」についても、営利目的のサイトのコメントには用いられていません。「速い」「速く」「迅速」等の語についても、極めてまれか、例外的な用例しか見当たらないのです。
これらの語が何故コメントに見られないか、はっきりした理由はわかりません。しかし、サイト・オーナーにしてみれば、「うちのエステに来れば美しくなれる」のも、「当社の接着剤が強力である」のも、「私の翻訳が正確かつ迅速である」のも、いずれも「客観的な事実」のように感じられるのではないでしょうか。そこで、「客観的な事実」としてコメントに書き、その結果として削除される・・・そのような過程が想像されます。あくまで、想像ですが。
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削除の具体例
ちなみに、M&Zビジネス翻訳センターがサイトの登録を申請した際のコメントには、「自分でできる米国法人設立」、「スイス銀行(プライベート・バンク)口座開設無料サポート」という表現が含まれていましたが、Yahoo! Japan掲載時には、それぞれ「米国法人設立」、「スイス銀行口座開設サポート」のようになっていました。すなわち、「自分でできる」、括弧内の「プライベート・バンク」、「無料」という語が削除されたのです。
M&Zビジネス翻訳センターは、米国法人設立代行業者ではなく、お客様が高価な代行手数料を支払うことなく自分で設立できるようにマニュアルを提供していますので、「自分でできる」というのは「客観的な事実」と言って間違いありません。また、当方が口座開設をサポートしているスイスの銀行が「プライベート・バンク」と呼ばれる種類の銀行であることも客観的な事実ですし、サポートが無料であることもその通りです。
しかし、いずれの語もYahoo! Japanにより削除されたため、コメントは随分と短くなってしまいました。
そこで、「自分で できる」をキーワードとして検索してみると、ヒット数は18件 (2004年1月15日現在、以下同じ)ありますが、いずれも営利目的ではないようです。
「無料」という語で検索すると、かなりのヒット数がありますが (1957件)、「無料電子メール」、「無料ホームページ素材」など、ほとんどが「無料であることが一般的に期待されている商品やサービス」に限られています。つまり、「他業者がふつう有料で提供しているものを、当方では無料で提供します」という場合に、「無料」という語が用いられているケースはほとんどありません。
形容詞と副詞
以上の例から判断すると、Yahoo! Japanに登録されるサイトのコメントでは、「サービス・商品の内容に形容詞や副詞などを付加することで、類似のサービス・商品と差別化したり、目立たせることはできない」ことが分かります。
要するに、Yahoo! Japanでは、形容詞や副詞で自社のサービスや商品を目立たせるなどという「姑息な手段」は認めない、ということなのでしょう。「サービス・商品に付される形容詞・副詞」はすべて削除されると心得て、初めから採用しない方がお勧めです。
そもそも、「形容詞や副詞」は、キーワード戦略という観点からはあまり意味がないものです。そんなものをキーワードとして検索するケースは、ほとんどないだろうと考えられるからです。
ですから、「削除される可能性が高い」形容詞や副詞のために無駄に文字数を費やすよりは、その分、別のキーワードを採用した方が良い、というのが当方の意見です。
自サイトを目立たせたり、他サイトと差別化したいというときは、「単に文字ヅラで工夫する」のではなく、実際に他サイトにない独自のサービスや商品を提供するなどして、それを適確かつ客観的にキーワード化することです。
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削除されやすいその他の表現
これ以外に、「コメントから削除されやすい表現」としては、「直接対応するページのない抽象的なサイト・タイトル」が挙げられます。
例えば、M&Zビジネス翻訳センターのサイトには、全体として「起業・投資・資産管理術の研究」というタイトルが付いています。そして、実際に新着情報や記事などが「起業」、「投資」、「資産管理」のテーマ別に分類されています。「起業・投資・資産管理術の研究サイト」であると言っても、別に何もおかしくはない内容のサイトであると思います。
しかし、「起業・投資・資産管理術の研究」などの語を用いたコメントは、Yahoo! Japanによって拒否されています。
その理由は、推定するしかありませんが、一つは、「起業・投資・資産管理術の研究」などといっても、当方は、いわゆる「研究所」「研究機関」等ではないことが挙げられます。
もう一つは、「起業・投資・資産管理術の研究」という表現が抽象的で漠然としており、しかもこれにぴったり対応するページが存在しないことです。
おそらく、「サイト全体のテーマ」よりは「個々のページ内容」を重視するということでしょう。あるいは、「サイト全体のテーマ」は、「登録されているサイト・タイトル (営利目的のサイトの場合は企業名)」に表れているはずなので、別に必要ない、ということかも知れません。
従って、もし、「絶対にはずしたくないキーワード」がある場合は、「そのキーワードに対応したページ」を作っておく方が「安全」であると考えられます(注)。
(注)しかも、そのキーワードに対応するサービスや商品がメインのものであるとYahoo! Japanのスタッフに納得させる必要があります。例えば、A、Bという2種類のサービスを提供している場合、Aについては、何ページにもわたって詳しい内容の説明やFAQ(よくある質問)が用意されているのに、Bのサービスについては、「サービス一覧」に数行の説明しかないなら、Bのキーワードが削除されてしまう可能性があるのです。もし、Bがサイトの戦略上「絶対にはずしたくないキーワード」であるとするなら、Aと同様に多くのページ数を費やして、サイトのメインのコンテンツであるとヤフー側に納得させることができるサイト構成としなければなりません。
括弧について
この外に、「削除されるであろうキーワード」としては、「括弧付きのもの」があります。
M&Zビジネス翻訳センターのサイトの場合は、「(プライベート・バンク)」がそっくりそのまま削除されました。
これまで、Yahoo! Japan登録サイトのコメントをいろいろ見てきましたが、括弧が付いているものは見たことがありません。
ただし、カテゴリーやサイト・タイトルには、括弧が付いているものがかなりあります。「アメリカ (米国)」、「日本放送協会 (NHK)」などです。
いずれも、「同義語であることが一般的に認められているものや略称」などで、括弧内に「説明」が来るようなことはないようです。
いずれにしても、コメント内で括弧を用いることはお勧めではありません。
類義語の並列
さらに、「単なる同義語、類義語の並列」もコメントとしては削除される可能性がありますので、気を付けて下さい。
例えば、「ホームページ制作、ウェブサイト作成」とコメントで併記してしまう場合です。
2004年1月16日現在、Yahoo! Japanに登録してあるサイトで、同一コメント内に「ホームページ、ウェブサイト」と併記してあるものは一つも見当たりません。
これがYahoo! Japanによる削除の結果であるかどうかは不明ですが、避けたほうが安全であると言えるでしょう。
しかし、どうしても「ホームページ」「ウェブサイト」の二語を用いたい場合は、前にも述べたように、「ホームページ制作」等の「ホームページ」という語を用いたカテゴリーに登録して、「コメント」に「ウェブサイト」の語を用いるという方法があります。
このような形で「ホームページ」「ウェブサイト」の二語で検索できるようになっているサイトは、少数ですが現実に存在しています。
黒丸の用い方
また、「削除される」ものとは異なりますが、Yahoo! Japanの登録に際しては、コメント内に「・」(中黒、黒丸)は用いることが出来ません。用いた場合は、「、」に置き換えられるようです。
ですから、「英語・日本語・ロシア語」は、「英語、日本語、ロシア語」のように編集されるものと心得て下さい。
ただし、外国人などのカタカナの人名、社名、団体名など固有名詞の中では、「・」を用いることが認められているようです。
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