この世の中、何かおかしい。

 

 例えば、

「社会が不平等だ!! 格差が拡大している」

という不満があります。

 しかし、「世の中には貧富の差がある」という現実は、努力によってある程度の「余裕」ができれば、受け入れることもできます。身長や体重が違うように、人にそれぞれ得手不得手がある限り、結果としての不平等はある程度致し方のない面があり、努力によってある程度克服できる範囲なら、大した問題ではないのかも知れません。

 けれども、その「余裕」を食い物にしようとする輩の存在に気付いたとき、単なる「貧富の差」や「不平等」では言い表せない複雑な仕組みが世の中を覆っていて、明確には表現できないが「どうしても納得できない何か」が確かにあるのだと感じられるでしょう。

 例えば、住宅ローンを組むとき、フランチャイズ契約を結ぶとき、直感的に「何かおかしい」と思われたことはないでしょうか。そして、そんな経験を繰り返して行くうちに、これは、その個々の営業マンや会社がおかしいというよりは、「この世の中がおかしい」のじゃないかと思われるかも知れません。私は、そう思いました。

 

「金融」のおかしさ

 そして、直感的に、話が飛躍するようですがその「おかしさ」を象徴的に表しているのが「金融の世界」なのだ、という気がしました。何と言っても「金融」こそビジネスの根幹であり、血液ですから、金融がおかしくなれば、世の中全体が変になるはずだからです。

 しかも、破綻とか、犯罪といったあからさまな問題が明るみに出た場合はともかく、日経新聞をはじめとするマスコミも、FP(ファイナンシャル・プランナー)も、エコノミストも、経済学者も、その「おかしさ」について口をつぐんでいます。何故なら、みな、金融機関から融資を受けたり、広告をとるなどして、お金をもらっているからです。

 よく知られているように、「日本の金融(銀行)」は、かつて「担保融資」偏重でしたが、現在は「手数料収入」に偏っています。

 その「手数料収入偏重」を象徴する金融商品が、「外貨預金」と「投資信託」という2種類の商品です。

 

外貨預金と投資信託

 銀行が外貨預金を勧めるのは、預金保険の保護の対象外(銀行が破綻した場合、外貨預金の保護はない)ため、銀行に保険料負担がかからない上、円からの為替手数料が入るからです。よく「1ヶ月もの」「3ヶ月もの」などの期間限定で「優遇金利キャンペーン」というのをやっていますが、これなどは典型的な「為替手数料狙い」であり、為替リスクを考慮しなくても、手数料だけで金利の優遇分はゆうに相殺され、顧客の損失になる可能性が高いものです。

 「投資信託」も「手数料狙い」の商品であることは明らかです。別に手数料をとること自体が悪いとは思いませんが、「年金が不安」だからと言って、元本保証でない「投資信託」を何故勧めるのか、理解に苦しみます(「年金破綻の可能性」と「投信の元本割れの可能性」を客観的に比較考量したデータがあり、「投資の元本割れ」よりも「年金の破綻」の可能性の方が高いとされるのなら話は別ですが、寡聞にして聞いたことはありません)。また、明らかに退職者や高齢者に向けたテレビCMなどで、「ファンド・オブ・ファンズ」のようなハイリスク商品の宣伝をしているのも、いかがなものかと思います。

 

金融機関の裏をかく

 不良債権問題などで信頼が失墜したとは言え、今なお日本のエスタブリッシュメントである銀行などの金融機関がこういう営業をしていることが「世の中のおかしさ」を象徴しているのではないでしょうか。

 ただし、「投資信託」は、預金以外の金融商品を考える際に、一部の人たちを除いて(では、その「一部の人たち」は何を選ぶべきか。これについての参考情報もこのサイトをご覧下さい)、ほとんど「選択の余地がない」と言っていいほどに考慮するべき選択肢です。海外での投資信託類似商品である「ミューチュアル・ファンド」が果たしている役割を見れば、「投資信託という仕組み」自体が、根本的に悪いものだとも考えにくいと思います。

 では、どうするか。投資家としては、銀行や証券会社の言っていることを鵜呑みにせず、その「裏をかく」ことを考えるべきでしょう。

 幸いなことに、投資信託を購入しようとする投資家に対しては、有用な情報源があります。これは「目論見書」といって、投資家への交付が義務付けられています。目論見書は、金融庁に提出される書面なので、基本的に、客観的な内容しか書けません。ですから、これを丹念に読むことで、何かのヒントが得られるのではないかと期待されるのです。

投資信託「目論見書」を読むへ続く

 

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