こうすればTOPIXに勝てる
その後、どうしても引っかかるのでいろいろ考えてみたところ、ファンドマネジャーが銘柄を選択するアクティブ運用がインデックス運用以上の成績を上げることは、「理論上では」さほど難しくないと気が付きました。その意味で、このセミナーの言ったことは、「本当かも」知れません。
その理由を簡単に説明しましょう。
例えば、TOPIXは東証1部の全銘柄を対象としていますから、ほとんど誰が見ても「どうしようもない」または「投機的」と思われるような不振企業、赤字企業なども一部含まれています(例えば、最近ではJALなどがそうでしょうか)。
そこで、TOPIXの組入れ銘柄から、明らかな「ダメ銘柄」を意識的に除外したポートフォリオを組みます。
これは、銘柄選択とはいっても「ネガティブな銘柄選択」であり、いわゆるアクティブ・ファンドの方法とは異なります。しかし、たったこれだけのことで、「理論的には」TOPIXを超える可能性の高い運用をすることができるでしょう。
ですから、単に「インデックスを超える」だけなら、実は難しくないはずなのです。
アクティブ・ファンドが負ける理由
しかしながら、問題は、「TOPIXと完全に一致したポートフォリオ」と、そのような「ダメ銘柄を除いたポートフォリオ」との運用成績の差が、「手数料の差」を超えられるかどうかということです。
残念ながら、その答えは「そうでもない」とせざるを得ません。
一般に、インデックス・ファンドの運用手数料(信託報酬)は安く、アクティブ運用をしている投資信託の運用手数料は高めであると言われています。
手数料が同等であれば、前記の理由からも、アクティブ・ファンドがインデックスの成績を上回る可能性はかなりあるでしょう。
しかし、多くの場合、仮に運用では勝っても、高めに設定された手数料がそれを打ち消してしまうため、結局「アクティブ・ファンドはインデックスに負ける」結果となってしまうのです。それが、「理論」ではない「現実」です。
要するに、アクティブ・ファンドの多くは、その手数料に見合った運用成績をあげられない、すなわち「自らの実力以上の手数料」を設定している、ということです。
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