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フランチャイズか、不動産投資か

営業マンと会う前に最低限知っておきたいこと

 

 

 

フランチャイズに加盟するか、不動産に投資するか

 「独立したい。でも、オリジナルな事業アイディアなどない」となると、ふつうに思いつくのはフランチャイズに加盟するか、あるいは不動産に投資するか、といったところだろう。

 フランチャイズ加盟店や代理店の募集に関しては『アントレ』という雑誌も出ているし、不動産投資を奨める本なども多い。手にとって見たことがある人もいるに違いない。

 その一方で、フランチャイズ加盟や不動産投資の体験記には、失敗談を語るものもある。おそらくスポンサーが付きやすいであろう成功体験記などと比べて、失敗体験記の数は多くはないものの、一面の真実を表すものとして貴重な記録であると言っていいだろう。

 

失敗する人の共通点

 そのような失敗体験記をいくつか見てみると、あまり上手くいかない人には、ある共通点があることが浮かび上がってくる。

 それは、「フランチャイズ経営」とは「経営」であり、一方「不動産投資」とは「投資」にほかならないと単純に考えていることだ。

 そんなことは当たり前だ、それのどこがおかしいと言うのか、と思われるかも知れない。

 しかし、「経営」を「経営」、「投資」を「投資」のように字義通りに考えるのでは素朴に過ぎるのである。実際、上手くいかないの多く人に欠けているのは、「フランチャイズ経営」を「投資」とみなし、「不動産投資」を「経営」と考える視点なのだ。

 

フランチャイズ加盟を「投資」と見る

 すなわち、フランチャイズの加盟であれば、加盟にかかる費用その他諸々の費用に加えて、自分の費やす時間・労力までを「投資」とみなし、それに対してどの程度のリターンが期待できるかという観点からも検討するべきである。そうしてみれば、真に価値あるフランチャイズなどそうめったにあるものではないことが知られるだろう。

ところが、「経営者として働いて自分の給料(?)を稼ぎ、そこから借金を返す」という観点でしか見られない人たちが意外と多い。そうなると、客観的で冷静な判断力は得られないかも知れない。

仮にフランチャイズ経営から利益が得られるとしても、それを労働に対する報酬と同じようなものだと思うのは大いなるカン違いである。借金までしてフランチャイズに加盟するのは、サラリーマンが住宅ローンを借りるのとは本質的に違うことなのだ。もし誤解を招くような説明をするフランチャイズチェーンの営業マンがいたら、眉に唾をつけて聞いておいたほうがいい。

 

 

不動産投資を「経営」と見る

 一方、不動産投資の場合は、これを単に「投資」として見ているだけでは、既存物件の「利回り」に気を取られるだけになりがちである。企業経営を外野から見ているだけの株式投資のような発想では、自らの創意工夫で売上げを伸ばそうという発想にはつながりにくいだろう。

(余談になるが、現在のいわゆる「不動産投資」に相当するものも、昔は「不動産経営」「アパート・マンション経営」などと呼ぶほうが一般的だった。いつのころから、これを「投資」と呼ぶようになったのか。おそらく『金持ち父さん・貧乏父さん』の流行がひとつの画期であったのではないかと思う。)

 

「出口」という発想

 さらに、「フランチャイズ経営」の場合も「不動産投資」の場合も、多くのケースで欠けているのが「出口」という発想である。

「出口」とは、すなわち、「やめるときは、どうするか」という問題である。

例えば、フランチャイズ加盟の場合であれば、将来加盟店契約を解約した時点で、他のビジネス(「他のフランチャイズに加盟する」でもよい)を始められるくらいに資金が貯まっていると期待できるかどうか。

また、不動産投資の場合は、物件を売却した時点で売却益、それまでの賃料その他を合計して全体としてプラスのリターンが得られると期待できるかどうか、などである。

このように、「出口」について納得できるシミュレーションができない場合は、そのビジネスには手を出さないほうが賢明だろう。

実は、「出口」とは、事業開始にあたって決して忘れてはならない極めて重要な観点なのだ。ところが、この問題について、始める前から真剣に考えている人はめったにいない。あたかもかつて会社で終身雇用が保証されていたように、フランチャイズ加盟も不動産投資も、永遠に続く事業であるかのように錯覚してしまうのだ。

 

営業マンのカモにならないために

ところが、「フランチャイズ経営」や「不動産投資」を奨めている業者には、以上のような考え方がまだ一般的でないことをむしろ利用して儲けようとする手合いがいるのもまた事実だ。そのような業者にとっては、加盟店や投資家はタダのカモにすぎないと言っても過言ではない。

心して接するべきである。

けれども、「フランチャイズ経営」を「投資」とみなし、「不動産投資」を「経営」と考える視点をもち、しかも常にビジネスの「出口」を意識するならば、仮に悪質な業者に遭っても、その提示する条件がいかに割りに合わないものか、判断できるようになるだろう。

そうなれば、騙されて後で後悔する確率は格段に減るはずである。

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