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「日本人はお人好し」か??

 「オレオレ詐欺」「振り込め詐欺」が世間を騒がせて久しいが、この手の犯罪が一向になくならない理由として、「日本人はお人好しだから」という俗説がある。

けれども、小中学校のある地域ではPTAが不審者を血眼になって探しているし、学校でも「人を見れば不審者と思え」というような教育が行なわれているようだ。

日本人が一般的に言って「誰の言うことでも容易に信じてしまう」という意味での「お人好し」であるという説は眉唾ものではないかと思う。

 

「疑い深くて、だまされやすい」日本人

 その一方で、「日本人はだまされやすい」というのは、一面の真理を突いているのではないかとも思われる。国民の「だまされやすさ」についてのきちんとした国際比較があるという気はしないが、日本人観光客がだまされやすいという話は昔からあるし、近年でも海外から日本人をターゲットにした詐欺的なビジネスがあることを考えれば、日本人の「だまされやすさ」は海外でも有名なのだろう。

 つまり、日本人は、「意外なほどに用心深いが、だまされやすい」、「実は疑い深いのに、だまされやすい」と言えるのではないだろうか。昔から「だまされやすい」と言われ続けてきた日本人は、ずい分と用心深くなってはきているものの、その「用心深さ」は、それほど役に立っているとは言えない。それというのも、日本人の「用心深さ」は、どこかズレているからである。

 

話の内容を吟味しない

 では、どこがズレているのか。

率直に言えば、多くの日本人は、「人(あるいは組織)が信用できそうか」にばかり関心が向いており、話の内容そのものを吟味することにはさほど興味がないように思われるのだ。

 そして、どんな人(あるいは組織)が「信用できる」とみなされるかと言えば、まず「知っている(ような気がする)」とか、「権威によるお墨付きがある」とか、「何となく好感がもてる」といった程度のことで信用してしまうのである。そして、いったん信用してしまえば、相手の言うことに疑いを挟まなくなってしまう。

そのような日本人の傾向を熟知する詐欺師にしてみれば、「権威によるお墨付き」を偽装し、「好感がもてる人間」を演じ続けて、「知人」といえるまでに親しい関係を築いてしまえば、あとは労せずとも「だませる」ことになるだろう。

 

 

「好感度」は無視せよ

 しかし、実際に大事なのは、その人(あるいは組織)に好感がもてるかどうかではなくて、話の内容そのものなのである。好感度などというものは、とりあえず無視して構わない。いかにも「詐欺師です」という顔をして現れる詐欺師なんてまずいないからだ。逆に多くの詐欺師は、いかにも好人物のように振舞う。話に疑問を抱かれないように、立て板に水のごとくしゃべる。相手に考える時間を与えてはいけないからだ。真剣に疑問に答えようとして考え込んだりするのは、好感度からするとマイナスだろう。

好感がもてるとか、もてないとか、そんなことよりも、話の内容に論理的な矛盾がないか、しっかり吟味することのほうが大切なのである。

 

「あり得ないほどいい話は、あり得ない話である」

 では、どうしたら吟味できるのか。そのさいには、次のような基本的な素養があれば役に立つだろう。

 ・心理学

 ・数学(とくに確率・統計)

 ・ファイナンス

 心理学を学んで「人は、どんな心理状態のときに、だまされやすいか」を知れば、自分の置かれている状況を冷静に判断できるようになる。また、確率・統計と、その応用としてのファイナンス理論の基礎を知っていると、「うまい話」が「どのくらい起こりにくいか」という確率の見当がつくようになる。とくに、ファイナンス理論を多少ともかじれば、「元本保証で高配当」などと謳う出資話が、どれほどあり得ないことか分かるだろう。

「あり得ないほどいい話は、あり得ない話である」と言った人がいるが、けだし名言である。

 もちろん、これらは一朝一夕に身に付くものではないし、緊急に判断が必要な場合もある。もし、あなたが誰かに儲け話を持ちかけられて迷っているとしたら、当サイトに相談してほしい。その儲け話が眉唾ものであるかどうか、矛盾点はないかなど、洗い出して差し上げることが可能だ (メール: ebook@digitalwriters.org)

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